「そんなこと言われたんだ……」
「兄貴が大手の会社員だから、兄弟で同じような進路に進んでほしいって思ったんだろうけど」
晃一の声のトーンが下がり、私は思わず晃一の左手に右手をのせていた。
「晃一がどれだけサッカーを好きかは、私でもわかるくらいだもん。きっと晃一のご両親だって、晃一が真剣に就活してるのを見たら、理解してくれるんじゃないかな」
晃一がまた瞬きをした。
「そうかな……」
自信なさそうな晃一の言葉に、私は彼の両親の姿を思い浮かべた。いつも温和な笑みを浮かべているお母さんとは対照的に、建設会社で働くお父さんは、いかにも職人といった風貌だ。専門職ならではの厳しさをわかっての、息子への希望なのかもしれない。
「晃一のお父さんなら……ちゃんと向き合って話をすれば、何かを突き詰めたいっていう晃一の気持ち、わかってくれるんじゃないかなぁ……。それに何より、私たち、これから大人になるんだよ? 後で自分を誇れるような選択をしたい。そりゃもちろん無責任に夢を追いかけろとは言えないけど、晃一の場合は無謀じゃないと思う。小学生の頃からサッカーを習ってたし、今だってちゃんとスポーツのことを勉強してるでしょ? それに、サッカーだって続けてる。ちゃんと土台を築いてるもの」
「明梨……」
私の手の下で、彼の左手がぴくりと動いた。そろりと抜け出し、私の指先に彼の指先が絡められる。
「兄貴が大手の会社員だから、兄弟で同じような進路に進んでほしいって思ったんだろうけど」
晃一の声のトーンが下がり、私は思わず晃一の左手に右手をのせていた。
「晃一がどれだけサッカーを好きかは、私でもわかるくらいだもん。きっと晃一のご両親だって、晃一が真剣に就活してるのを見たら、理解してくれるんじゃないかな」
晃一がまた瞬きをした。
「そうかな……」
自信なさそうな晃一の言葉に、私は彼の両親の姿を思い浮かべた。いつも温和な笑みを浮かべているお母さんとは対照的に、建設会社で働くお父さんは、いかにも職人といった風貌だ。専門職ならではの厳しさをわかっての、息子への希望なのかもしれない。
「晃一のお父さんなら……ちゃんと向き合って話をすれば、何かを突き詰めたいっていう晃一の気持ち、わかってくれるんじゃないかなぁ……。それに何より、私たち、これから大人になるんだよ? 後で自分を誇れるような選択をしたい。そりゃもちろん無責任に夢を追いかけろとは言えないけど、晃一の場合は無謀じゃないと思う。小学生の頃からサッカーを習ってたし、今だってちゃんとスポーツのことを勉強してるでしょ? それに、サッカーだって続けてる。ちゃんと土台を築いてるもの」
「明梨……」
私の手の下で、彼の左手がぴくりと動いた。そろりと抜け出し、私の指先に彼の指先が絡められる。


