理想の恋人って!?

「周りにうまい子がたくさんいたってこと?」

 晃一がうなずく。

「そう。それもものすごくうまい。最初は負けないように努力したけど、俺なんかせいぜいベンチを温めるくらい。ベンチ入りできないこともあった」
「そんなに……」
「そう。努力では追いつけない、センスとか才能の違いを見せつけられた」
「そう……だったんだ……」

 部活帰りに見かけた晃一は、いつも難しそうな顔をしていた。それはそうしたことを悩んでいたからなのかな。

「それでいろいろ考えて、選手はダメでも選手をサポートする仕事に就きたいと思ったんだ」
「だからスポーツ科学部に入学したんだね」
「そう。どんな形でもサッカーに関わりたい」
「たとえば?」

 私の問いかけに、晃一が一度唇を引き結んだ。答えようか迷うかのように視線を水面にさまよわせてから、口を開く。

「フィジカルトレーナー」
「それって……何をする人?」

 晃一が私を見て、かすかに笑みを浮かべた。

「選手に普段からコンディショニングとか筋トレとかを指導したり、選手と一緒にウォーミングアップやクールダウンをしたりするんだ」
「じゃあ、選手を現場で支える仕事なんだね」
「そう!」