晃一は一瞬目を見開いたけど、すぐに口角を片方引き上げ、かすかに笑みを見せた。その表情が皮肉そうにも見えて、やっぱり私の気持ちに気づいていたんだ、と思った。
けれど、晃一は誠一さんとは関係のないことを言った。
「わかってるよ。入学式前に買ったはずだったけど、スーツはクローゼットの中にあったのに、ワイシャツだけ見つからなくてさ。車を借りるついでに兄貴にシャツを借りて着替えたんだ」
晃一が話に乗ってくれて私は内心胸を撫で下ろす。
「そっか。でも、就活前にあわてないようにしないとね」
「大丈夫だって。明日にでも買いに行く」
晃一の返事を聞きながら、私はふと疑問に思った。
「ね、晃一も普通に就職するの?」
晃一が私を見返して問いで返す。
「普通にってどういう意味?」
「だって、晃一の高校は全国的に有名なサッカーの強豪校だったでしょ。それに今でもサッカーを続けてるから、サッカー選手を目指してるのかと思って」
「あー……」
晃一は海に視線を戻して、目を伏せた。
「中学時代はさぁー、みんなにもうまいって言われて、サッカースクールでもホープだなんて言われてたんだけど……」
「だけど?」
晃一の横顔が苦い笑みを浮かべる。
「高校に行ったらさ、俺なんかまったくフツーだったんだよ」
けれど、晃一は誠一さんとは関係のないことを言った。
「わかってるよ。入学式前に買ったはずだったけど、スーツはクローゼットの中にあったのに、ワイシャツだけ見つからなくてさ。車を借りるついでに兄貴にシャツを借りて着替えたんだ」
晃一が話に乗ってくれて私は内心胸を撫で下ろす。
「そっか。でも、就活前にあわてないようにしないとね」
「大丈夫だって。明日にでも買いに行く」
晃一の返事を聞きながら、私はふと疑問に思った。
「ね、晃一も普通に就職するの?」
晃一が私を見返して問いで返す。
「普通にってどういう意味?」
「だって、晃一の高校は全国的に有名なサッカーの強豪校だったでしょ。それに今でもサッカーを続けてるから、サッカー選手を目指してるのかと思って」
「あー……」
晃一は海に視線を戻して、目を伏せた。
「中学時代はさぁー、みんなにもうまいって言われて、サッカースクールでもホープだなんて言われてたんだけど……」
「だけど?」
晃一の横顔が苦い笑みを浮かべる。
「高校に行ったらさ、俺なんかまったくフツーだったんだよ」


