彼の方を見たら、少し首を傾げて私を見ていた。気遣うように見られて、私は視線を海に向けた。夕陽から私たちの方に伸びていた光の橋が、波のうねりを受けてゆがんで見える。
「どうもしてないよ。晃一ってばさっきから〝どうした?〟ばっかり」
「そうかな」
「そうだよ」
「そうだな……」
晃一が一度口をつぐみ、しばらくしてから言った。
「明梨が何考えてたのか、なんとなくわかったんだけどな」
「そんなわけないでしょ。いくら幼馴染みだからって……」
ドギマギしながら言う私に、晃一が低い声で答える。
「兄貴のこと……考えてただろ?」
その瞬間ギクッとして、私は思わず晃一を見た。彼と目が合う。晃一はさっきからずっと私を見ていたらしい。
なんでわかったんだろう。誠一さんは私がバレンタインデーに訪ねてきたことを晃一に話したんだろうか。いくら幼馴染みとはいえ、かつて彼の兄に抱いていた恋心を悟られるのは恥ずかしすぎるので、無理矢理話題を変える。
「まあ、そういえばそうかな。やっぱり誠一さんのシャツじゃ、そのスーツには合わないなって考えてたの。就活のときはちゃんと自分のサイズのを着なさいよね」
「どうもしてないよ。晃一ってばさっきから〝どうした?〟ばっかり」
「そうかな」
「そうだよ」
「そうだな……」
晃一が一度口をつぐみ、しばらくしてから言った。
「明梨が何考えてたのか、なんとなくわかったんだけどな」
「そんなわけないでしょ。いくら幼馴染みだからって……」
ドギマギしながら言う私に、晃一が低い声で答える。
「兄貴のこと……考えてただろ?」
その瞬間ギクッとして、私は思わず晃一を見た。彼と目が合う。晃一はさっきからずっと私を見ていたらしい。
なんでわかったんだろう。誠一さんは私がバレンタインデーに訪ねてきたことを晃一に話したんだろうか。いくら幼馴染みとはいえ、かつて彼の兄に抱いていた恋心を悟られるのは恥ずかしすぎるので、無理矢理話題を変える。
「まあ、そういえばそうかな。やっぱり誠一さんのシャツじゃ、そのスーツには合わないなって考えてたの。就活のときはちゃんと自分のサイズのを着なさいよね」


