理想の恋人って!?

「うん、陽太にお勧めされたんだ」
「ってことは、あの二人もデートでここに来たんだね」
「らしい」

 晃一の声が消えると、耳に入るのは打ち寄せる波の音だけになった。心まで洗われそうな静かな音にしばし聞き入る。

「すごくステキ」

 名前の通りいつも陽気な陽太に対して、かわいい外見ながらマイペースな美佳は、人前では――学校でも、私たち四人で遊びに行ったときも――あまりイチャイチャしたりしない。そんな二人がどんなふうに夕陽を見たんだろう。陽太でもこんなロマンティックなデートを考えるんだ。想像つかないけど。

 つい苦笑してしまい、気づいた晃一に問いかけられる。

「どうした?」
「あ、ううん。陽太もやるな~って思って」
「そうだな。美佳のためにいろいろリサーチしてるみたいだ」
「そっかぁ。あの二人はお互いのことを理想の相手って思ってるのかなぁ」

 私のつぶやきに、晃一が答える。

「陽太はそう思ってるらしいぞ。一目惚れだったみたいだから」
「一目惚れかぁ……」

 私は膝の上に両肘をついて顎を支えた。