理想の恋人って!?

 大統領の命を受け、レプタノイドがインフルエンザウイルスに弱いという情報が各国の政府や軍に伝えられるや、形成は一気に逆転。清潔すぎる環境で暮らしてきたレプタノイド軍は、あえなく全滅した。全世界が勝利に沸く中、映画のヒロインのアレクシアとヒーローのロイは、お約束のように唇を重ねる。だが、高熱のあまりふらりと倒れる彼女を抱き留めて、ロイがニヤリと笑う。

「続きは元気になってからだな」

 アレクシアのはにかんだ笑顔がズームアウトし、廃墟の中、歓喜に湧く国民が映し出されながらエンディングテーマと同時にエンドロールが流れ始めた。

 壮快なアクション、すっきりした結末。

 それなのに、なんだろう。この胸にモヤモヤと残ったものは。

 映画が終わって再び明かりがつき、周囲の観客が立ち上がって帰り始めた。でも、私は立ち上がることができずに、暗くなったスクリーンをじっと睨んでいた。

 フィリーの最期の表情が忘れられない。片想いをしていた女性を助けて死んでしまうなんて、あまりにもかわいそうだ。

「明梨?」

 動こうとしない私に、晃一が声をかけてきた。私は前を見据えたまま言う。

「ダサいから?」
「え?」

 晃一が怪訝そうな声を上げた。