「俺が言うだけだと、ただの情報でしかないだろ。それを聞いたところで稜にとっては知識以外の何でもない。お前が自分で思い出してこそ、意味があるんだろ。」 「そっか…ところでさ、その子は?」 「あぁ…俺の彼女。」 「佐藤 栞です。稜くん、ほんとに分かんないんだね。」 確かに忘れてしまった。でも、なんとなく分かる。あの子が、 俺にとって大切な人だってことは。