「今日あなたをここに呼んだのはね、婚約の話を承諾していただくためなんです」 「え………」 「うちの父が当人同士が会ってさっさと決めろと言うことでしたので。僕自身、あなたが僕の妻になってくれれば申し分ないと思っています。なのであとはあなた次第ですよ? 」 私は答えにつまった。 この人とは結婚したくない。 でも、お父様が……。 その迷いをくみ取ったのか、保谷さんは微笑んだ。 「僕の部屋に行きましょうか。少し落ち着くはずです」