2人とも落ち着いたところで、俺は日向に好きな女を落とす方法を聞いてみた。
「そんなんわかんねぇよ」
この一言で片付けられたがな。
「俺、詩乃のこと好きだけど、告白してきたの向こうだもん。ただ片想いのころはあいつに見てもらいたくて、よく話しかけてた」
そう日向ははにかんだ。
「だからお前もさ、挨拶ぐらいいーんじゃね。確かに会長と不良じゃ変に思われるかも知れねぇ。だけどそのくらいだぞ。挨拶して相手の親に文句つけられるこたぁないだろ」
「そう……だな」
日向の口から出る言葉は前向きで、力強い。
「サンキュ、頑張るわ」
「おう! 」
日向は詩乃を迎えにいくと行って、帰っていった。
一人残された俺は昔、親父に言われた言葉を思い出していた。
『泣くな、笑え。バカみたいに。俯くな、顔をあげろ。胸はって歩け』


