「ただ今帰りました」 「あぁ、お帰り」 ドアの向こうから聞こえるお父様の声。 「あの…お母様は? 」 「雪ならもういないだろう。何度同じことを聞くんだ」 「だって、お父様、教えてくださらないから…」 「黙りなさい。雪はもう、帰って来ないと何度も言っているだろう」 「でも………」 「でもじゃない! 早く部屋に入りなさい」 私は逃げるように、お父様の前から立ち去った。