着いたのは大きな屋敷。



『みんな…準備はいい?』



ジュリア「そんなん最初からできてるよ!」



あはは…ですよね笑




みんなも頷く。




雄大「よし、行くか!」



私の頭をポンッと叩いて先頭に…


『って、ええええ?!私が先に行く!』



このやりとりでみんなが笑った。



少しは肩の荷が下りたよね。




私を先頭に

中に入ってゆく。




倒れてる人々。


雄大「やっぱ組員も倒れてるよな…」



組員を見つけたのか、

周りを見ながら雄くんが

呟いた。




悲しそうな顔をする雄くん。



今はそっとしてあげよう。





私たちが通る道は

倒れている人しかいなくて…



すごく奥の方からだけ

音が聞こえた。




近づく度に鮮明に聞こえてくる声…



「お前ら…麗は実の娘だろ?!」


この声は…ぱぱ…?



哲「自分たちが親として最低だって

わかってるのか?!」




ぱぱ…怒ってる…




「麗は大切な娘だ。」


っ!!この声は!!


セルゲイ「ちゃんと愛してやっただろ?」


「何よニヤニヤしちゃって」




瑠奈「麗…下がってて」



すごく怒りを含んだ声で言う瑠奈。



先頭に行き、扉を蹴り破る。





『やっぱり……』



遮るものがなくなって

鮮明に映る顔。




『ママ…』




そこにいたのは

ママだった。




花織「麗…そう、バレちゃったか」



哲「麗、お前は帰れ」




私はぱぱの言葉を無視して


気になったことをジュリアに聞く。




『ねぇ、ジュリアの母親の名前は?』



ジュリア「あそこにいる人よ…華那さん」




なんだ、最初から離婚なんて

してなかったんじゃない。



それに華那-hana-?


名前まで変えて…。




『ジュリア、あの人の名前は花織。

私の母もあの人だよ』





ジュリアは信じられない、とでも

言いたいような顔をしている。



昔から疑問に思ってた部分は

あったんだ。



私たちは母が違う筈なのに

似すぎてるって。