あたし、地味子やってます

「そういえば莉緒ちゃんって、喧嘩とかした事あるのー?」


突然の一言に驚いて松本君の顔を見ると、いつの間にか彼はアイスを食べ終えて棒付きキャンディーをくわえていた。早くない?


「どうして?」


不自然にならないように聞いてみる。内心冷や汗ダラダラだというのはおくびにも出さずに。


私のその問いかけに松本君は


「喧嘩慣れしてる感じだったからっていうのとぉ、自分の実力に相当自信がないと、ああいう時とっさに飛び出せないかなーと思って」


可愛らしく笑いながらそう答えた。


意外に鋭いな、この子。でも言葉から察するに、本気でそう思っているわけではなさそう。話が途切れないように聞いただけなのかな。


「まさか。あたしが喧嘩慣れしてるわけないよ。松本君って変な事言うね」

「むぅ、変じゃないもん。それに、松本君じゃなくて來って呼んでよ」


ほらやっぱり。すぐに話題が変わった。


ホッと一息つきながら、溶けかけたアイスの最後の一口を口に含んだ。