「はい。ありがとうございます」
良かった。しゅうちゃんに会える場までは失いたくなかったから。
「じゃ、ごちそうさまでした」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
しゅうちゃんと辰巳くんの優しい声に見送られて私は『Noise』を後にした。
「甲斐さんは、哉子さんがホントにドバイの男と結婚するって信じたんですかね?」
「まさか。ちゃんと気づいてるさ。今の闘吾の置かれてる状況を把握して、自分から身を引いてくれたって」
「甲斐さんは、それでいいんでしょうか?」
「良くないだろうな」
「じゃなんで、あんなにあっさり…」
「哉子ちゃんは10年って想定してたけど、闘吾はもうすぐ30だから、まぁ5年だな」
「5年?」



