「いただきます」
「いただきます」
と、しゅうちゃんにちょっと頭を下げてグラスを持つと、私達は、カツンと軽く合わせ、ゴクっと一口飲む。
「ん、美味しい」
「はい、美味しいです」
「それは良かった。じゃ、俺も一杯飲もうかな」
と、しゅうちゃんは後ろに飾ってあるウイスキーのボトルを開けて、氷を入れたグラスに注いだ。ウイスキーを一口飲むとしゅうちゃんは私の左胸辺りを見た。
「それ入れてきてたら、別れ話はあんまり説得力なかったかもな」
「ん?」
そう言われて私はジャケットの左胸ポケットを見る。そして、つられて私の方を覗き込んだ辰巳くんの呟きが私の耳に入って来た。
「あ、猫ちゃんボールペン」
「…」



