ゆっくり、カウンターの中に立つしゅうちゃんの方に向き直し、ニッコリ笑顔で、しゅうちゃんを見つめて答えた。
「はい。良かったんです、これで」
そこに、奥から辰巳くんが出て来て、キョロキョロと店内を見回しながら、しゅうちゃんの横に立った。
「あれ?甲斐さんは?」
「今帰った」
「帰った?」
辰巳くんがキョトンとした顔で私を見た。
「あ、私も帰りますね。そろそろ閉店時間ですよね」
立ち上がろうとすると、
「待って」
と、しゅうちゃんに止められた。
「え、でも…」
「いいから。昭次、表、もう閉めていいぞ」
「あ、はい」
しゅうちゃんの指示で辰巳くんが表の札をクローズにしに行った。



