そして、その人達ももういないなんて。
「哉子さん、ここで寝られるの、2度目ですよね」
「ん?」
「ほら、最初に来られた時も」
「あ」
甲斐くんに言いたい放題言った『らしき』日だ…。
「寝心地いいんですかね、このカウンター」
「ごめんね」
「だから、全然大丈夫ですって。それに、眠れたってことは、さっきの問題解決したって事ですか?」
「さっきの問題?」
「ほら、10年結婚出来ないとしたらって」
「あ〜。うん、お蔭さまで」
「だったら良かったです」
「じゃ、そろそろ帰るね。明日仕事だし」
鞄から財布を取り出そうとしたその時、扉が開く音がした。



