明日へのラプソディ


「そう?」

「そうですよ。絶対、間違いないですって。あ、その顔、信じてませんね?」

「いや…」

「言っちゃあ何ですけど、主任より、甲斐くんの事見てる年月は長いですから」

「…確かに」

「先輩たちの後ろでピント合ってなくって見切れてる姿は見慣れてます。間違いないです」

そんなに言い切られると、確かに甲斐くんに見えてくる。でも、これが甲斐くんだとして。

「って事は、甲斐くん、こうくんのデートに付いて行ってたって事?」

「…そうなりますよね」

「…」

「…なんか、余計な事、言っちゃいましたね。すみません、仕事します…」

香山さんは、申し訳なさそうに私のデスクに置いた週刊誌をそっと持ち上げて閉じると、そのまま椅子ごとスススッと後退りして、自分の机に戻ると、週刊誌を鞄にしまって、パソコンを開いて仕事を始めた。