私は、テレビや雑誌で甲斐くんを見る事はあっても、甲斐くんが私の存在を意識する事って、あるんだろうか…。この状態って、じんちゃんを好きな香山さんと変わらないんじゃないだろうか。
「『まぁ』って。主任もこんな風に、甲斐くんと深夜の密会しちゃってるんですかぁ?」
「…してない」
「してない?」
「全然会ってないし、電話もしてない」
「え?」
香山さんは、体勢を変えて椅子ごと私の方に向くとツツッて距離を詰めて来た。そして小声で、
「…それって、付き合ってるって、言います?」
と、呟いた。
「…だよね」
やっぱり、そうだよね。
「今時、小学生だってもっとイチャイチャしてますよ」
「…」



