「いや、そうじゃなくて」
「そうじゃない?」
「15年の時を越えて、私の元に戻って来たのよ、このボールペン」
「…え?何?ホラー的な話?」
「ちが〜う。あの時の字の汚い少年が返してくれたの」
「はぁ?」
優子はガバッと態勢を起こして、こっちを見た。
「会ったの?あの少年に」
「うん。まぁ、流石にもう少年じゃなかったけどね」
私は、HigherFlyのコンサートに行った事から、先日お詫びに行った事まで順番に優子に話して聞かせた。優子は途中でコーヒーのお代わりを注いでくれたりしながらも、最後まで興味深く聞いてくれた。
「ふ〜ん。で、哉子も夢の玉の輿婚、寿退社に向けて頑張ろうと思ったわけね」



