「あ、乾杯」
急いでカクテルグラスを持ち上げて、しゅうちゃんのグラスにカチャリと合わせる。と、ここでグビグビ飲んでこの前失敗したんだから、ゆっくり飲まなきゃ。
「あ、そうだ」
ビールを一口飲むと、しゅうちゃんは一旦カウンターの奥に引っ込み、戻って来ると、
「はい、これ」
と、私の前に何かを置いた。
「…あっ!猫ちゃんボールペン」
そう、それは15年前、甲斐くんに貸したままになっていた、猫のついたボールペンに間違いなかった。
「どうしたんですか?これ」
「闘吾が持って来たんだよ」
「甲斐くんが?」
「哉子ちゃんが、返せ返せって言ってたからさ」
うそ…?
「私が?」



