マスター?思わず、喋るのを止めて、お兄さんが呼びかけた方を見る。
「ん?なんだぁ?」
っ! 現れたのは、紛れも無く、しゅうちゃんだった。
「あの、こちらのお客様、先日の…」
と、お兄さんが言った所で、しゅうちゃんはこっちを見て、パッとにこやかに口角を上げたかと思うと、
「哉子ちゃ〜ん」
と、言いながら近づいて来た。
「え…?」
嘘でしょ?名前、呼ばれてる、私。
「この前悪酔いしたお詫びにって、ケーキ持って来て下さいました」
「お詫びって。バーで酔っ払うのなんて、当たり前だけどね」
…確かに。
「あ、でも、香山さんもお支払いをしていないと言っていたので…」



