「…」
「そうだな。ファンは、待ってるな、きっと」
って、しゅうちゃん。
「ねー。待ってますよね〜。ま、2、3人かも知れないけど」
「おいっ!…もうちょっと、いるだろーよ」
「じゃ、4、5人」
「…なんとでも言ってろ」
って、甲斐くんは、グラスのビールを飲み干した。
「もう1杯下さい」
しゅうちゃんが甲斐くんのグラスにビールを継ぎ足した。
「ほら」
「ども」
「で、どうなの?」
「何が?」
「結婚しようと思ってる彼女、いるの?」
この時の私の顔はきっと、越後屋のような悪い顔だったに違いない。
「だから、いないって」



