悲しくなりたくなくて勢いで職員室に入る。
先生と話せるせっかくの機会を、今を大事にしたい。
「失礼します。先生おはようございます~!
今日の理科は何しますか?」
「おー。おはよーございます!
…あれ?今日理科だっけ?」
ドキドキバクバク。
先生のとぼけた表情も、大好きだぁ…。
「理科ですよ~!…先生忘れてたの??」
にやける口元を抑えながら、給湯室を出る先生の後ろを追いかけて歩く。
「うん。忘れてた!」
「え~!」
「今日は第2理科室!実験です!」
椅子に座る先生。
手に持ってるプリントを机でトントンってしながら、目だけキョロってこっちを向けて言う。
……か、可愛い……!!
こんな些細なことできゅんきゅんしてる私は、たぶん相当な先生フェチだね。
先生はへーきな顔してコーヒーを飲む。
「…先生、コップ可愛いね。彼女さんから??」
お願い。どうか違いますように…。
そう願っているのに、何故か聞いてしまった。
「ちげーよ!これ俺がじいちゃんにあげたの、使わないから自分で使ってる。可愛いっしょ。」
ちょっとだけ拗ねたように話す先生が、好きで好きでたまらない。
先生、こんな可愛いプレゼントしたりするんだね。
私の中の先生情報に追加…。
先生は、ミッキーがスキ。
「いいなぁ。可愛いね!私も欲しい…。」
小さく言った最後の言葉にも、
「…あげません!!」なんて、笑って返してくれた。

