神谷先生は私と先生を見ると、眉間にシワを寄せて小さなため息をついた。
「……佐野先生。なにしてるの?
こんなことして疑われますよ…?
大体。生徒はもう下校時刻とっくに過ぎてるじゃないか。
なんでこんな時間まで残ってるんだ。
いつまでもこんなとこにいないで、早く帰りなさい。」
イライラしながら早口で捲し立てる神谷先生。
「神谷先生…すみません。……ちょっと今こいつ泣いてるんで…。」
私のせいで怒られてるのに、先生はこんな時でも間に立って私をしっかり守ってくれる。
優しい先生。
ごめんね、先生……ごめん…。
「いいから早く!…二人とも出て。早く帰りなさい。」
「……はい。分かりました。僕が鍵閉めてすぐ戻りますので…。」
さすがの先生でも、年配の先生には逆らえない。
何より私の下校時刻か過ぎていたのに
先生とふたりで話をしてたのはまずかった。