それから先生は、私が整頓した本棚をチェックしながら話をしてくれる。
「先生って実家暮らし??」
とか
「大学時代はなにしてたの??」
とか。
いろんなことを聞いた。
今は実家で暮らしてること。
先生は東京の大学に行っていたこと。
弟さんが一人いること。
そして私もいろんなことを話した。
妹が一人いること。
犬を飼っていること。
父が家に帰ってこないこと…。
もうとっくに作業は終わっていたけど、
先生は側にいてくれた。
ふたりで小さな椅子に腰かけて。
時々先生が意地悪を言って、私は笑いながら怒って語る。
こんなに話をしたのは初めてで、今が何時なのかも分からなかった。
時間なんて知りたくなかった。
ただ……あともうひとつ。
ずっとずっと聞きたかったことがある。
───”先生、彼女いるの??”
今なら、聞いてもいい?

