ちょっと口を尖らせて下を向きながら話す。
もう恥ずかしくて先生の横顔が見られない。
「…全く手のかかるやつだなぁ。」
今日の先生はなんだか意地悪だ。
だけどそんなとこも大好きで、ドキドキするの。
赤信号で止まる度に胸が苦しくなるよ。
進まないで。
お願い、ずっとこのまま……。
そう祈るように下を向いていた私の目の端で
ふわり、と先生の手がハンドルから離れた。
「え……?」
顔を上げた次の瞬間には、
先生の温かい手が、私の頭の上をポンポンって優しく撫でていた。
────。
時間も息も止まった瞬間。
大好きな先生の手が私の髪を、ゆっくり撫でる。
先生の手の感触の全神経が集中してる一秒が、ものすごく長く感じる。

