私はただただ先生が好きで、笑っていたいだけなのに。
あの頃が懐かしい。
夏が終わってしまうのと同時に、楽しかった恋が終わっていく。
何もないのに悲しくて毎日泣いた。
こんなの嫌だ…
私は、先生が好きなだけなのに。
その気持ちは初めて会ったときから何も変わってなんかいないのに。
どうして嫌な方にはかり向いてしまうの…?
そんなある日の放課後。
数学の落合先生に課題の答えを教わりに職員室に行った。
だけど落合先生は教科書を見なさいの一点張りで。
納得出来ない私は、
近くにいた佐野先生につい愚痴をこぼしてしまった。
そしたら………
「なんでお前はそんな自分勝手なの?
自分が全部正しいと思わない方がいいよ。」
大好きで大好きでたまらない先生に
いちばん笑ってほしい人に
言われた嫌悪のこもった言葉。
もう、目の前が真っ暗になった。
先生。
どうして───。