ぐんぐん進む車に流れる景色。
ああ、もうすぐ着いちゃう…。
先生に大まかに住所を伝えると
「ここ右に曲でいい?」
「うん…。」
車で行ったら10分の距離。
あっという間に着くんだ。
やだよぉ…。まだ一緒にいたい。
涙が出そう。
今日1日楽しくて幸せだったのに、涙なんてやだよ。
目を閉じて心を落ち着かせる。
先生私が寝ていると思ったのか、話しかけてこなかった。
「小春。この辺?」
「…うん、その上から3番目の家だよ。
先生、ありがとう。」
着いちゃった…降りなきゃ。
頭では分かっているのに、体が動かない。
「ん??着いたぞ?」
先生はハンドルを握ったまま困ってこっちを見てる。
「…うん!ごめんね!」
急いで車から降りる。
バタン!
「じゃあ、先生またね。」
「おう!夏休み楽しめよ!」
「ありがとうございました!」
ブロロロロ…
先生はかっこよく去っていった。
立ち止まっていると余計悲しくなると思って、私は最後まで見送らずに家にはいった。

