数日後。
佐野先生の初授業は多目的ホールで。
みんなで絨毯の床に座りチャイムを待つ。
先生の授業、どんなかな。
1時間、ずっと先生の声を聴いて見つめていられるなんて……授業って最高!!
若くてイケメンな佐野先生は、部屋に着いた途端クラスの派手な子たちに囲まれる。
授業が始まったか始まらないかの頃、さっきまで他の子と話してた先生が……
「小春は、冬生まれなのに小春ってゆーの??」
そう言って、急にこっちを見つめる。
先生は私のことを名字じゃなくて小春って呼ぶんだぁ。
ドキドキドキドキ………
「え……はい!」
初めて話しかけられて、きっと顔は真っ赤。
嬉しさと恥ずかしさで体中が熱い……。
それ以上答えられない私に
先生は「ふーん。」って話を終わらせて授業に戻った。

