「ん。」
それだけ言って歩き出す先生。
私はその大好きな背中を早足で追いかける。
「俺今日鍵当番だからさ~。ごめんな。」
「ううん。なんか探検みたいで楽しい!」
「探検?はは。
よし。じゃあまず4階からな。」
こんな展開あり???
先生とふたりで歩く学校は、ビックリするほどわくわくする。
ドキドキ………きゅんきゅん………。
先生はたくさんの鍵の束を持って、日に焼けた腕で各教室のドアの施錠を確認してる。
私は隣を歩きたいのに、全然追い付かなくて。
後ろをヒョコヒョコと付いていく。
「どう?受験勉強は。」
「うん、ボチボチです…。」
こんなつまんない返事しかできない自分を恨む…。
「一人でやってると、どうしても解らないところが出てきて。」
「あーそうだよな。お前塾行ってなかったっけ??」
「行ってないです。通信はやってます。」
「ふうん。今日たくさん持ってきたの?」
「はい。」
「まー、頑張りましょう!!」
顔だけ振り向いてニヤっと笑う。
先生…きゅんきゅん。
その顔を何度思い出していたか分からない。
今この状況が信じられなくて、なんだかふわふわして飛んでいきそう。

