その後はひめゆりの塔や洞窟、いろんなところに行ったけど、先生は少し遠かった。
クラスの女子が先生と写真を撮るのを横目で見ながら、私は声がかけられない。
自分の勇気のなさにがっかりする。
好きな人には積極的な方だと思ってた。
でも先生の前の私は、自分でも知らない私。
今までの自分とは全然違っていて驚く。
きっと先生のことを好きじゃなかったら、こんなに一喜一憂することはなくて。
写真のお願いだって、なんてことなく声をかけられる。
好きすぎて、難しいよ、先生。
諦めモードで友達と美術館を回っていると、細い通路で偶然先生と出くわした。
「わ!先生!」
人通りの少ない道だから、誰にも見つからないと思っていたのか、先生は床にしゃがんでいた。
上目使いでこっちを見ながら…
「ふー。疲れたぁ~~。」
え……。
みんなの前で大きな声で話す先生とは違う。
先生の新しい顔に、ドキドキする。
先生…
先生になってばっかりでいきなりの修学旅行、1日中生徒に目を配り続けて先生はとっても疲れてるんだね。
なのに…。
「先生、頑張って!」
こんな言葉しか出てこない。
こういう時、彼女だったら先生を癒せるのかな?
先生は誰かに甘えたりするの?
しゃがんで疲れてる先生。
こんな時なのにきゅんきゅんしてばかりで…。
だって、こんな先生、見れる生徒はどれだけいる?

