「ごめんって!!そんなに痛かった?
…俺、石頭だからな。すまん。あははは。」
先生は今の事故に気づいてないのか、わざと気づかないふりしてるのか、そんな冗談を言う。
目頭がジーンと熱い。
ぶつかった頭が痛かった訳じゃない。
痛くて涙が出そうな訳じゃない。
なんでだろう?
たとえ事故でも……
もうなんだっていい。
嬉しくて、感動して、胸がきゅーっと苦しくて。
好きな人とのこんなトラブル嫌なはずがない。
キスってこんな感じなのかな…?
なんだっていいから、もっと先生に触れたい……。
心臓がものすごい速さでドキドキ、バクバクしてる音が自分で聞こえる。
体の内側からドンドン叩かれてるような感覚。
私は立ち尽くしながら制服の袖をぎゅっと掴んだ。
「……大丈夫じゃ…ありません…。」
今更返事をすると、腰を屈めてた先生が立ち上がろうとする、その腕の服をぐいっと引っ張った。
「ん??どしたぁ?」
「せんせ……。」
私より大きくて太い体は、少しだけ私の方にゆらっと揺れる。
そしてそのまま……
ギュ………。
離れて行かないで。
まだ近くにいてよ。
切なく祈りながら私は先生のお腹に顔を埋めた。

