─────────タッタッタッ。
こんなラッキーなことある?
すごいタイミング。
走りながら、口元がにやける……。
「せんせーー!!」
「おお。」
先生の側に行くだけで嬉しい。
隣に立つだけで幸せな気持ちになる。
思わず声を掛けたけど、話すこと考えてなくて…。
うう、どうしよ~。
「……先生……何してるの??」
「はあ?
仕事です。残業です!」
「そっか。お疲れさまです…。」
「どーも。ありがとうございます!」
先生は歩く足を止めてくれない。
前を向いたままずんずん進んでいく。
私は一生懸命その横を歩きながら話すけど……邪魔?
なによ…。
この前はあんなに親しげに話してくれたのにさ。
今日の先生は冷たくて怖い。