次の日。


昨日のことが忘れられなくて、資料室の前を通る度に先生の姿を探す。


その時だけは、

友達の話も頭に入らなくて、

必死になって一人でキョロキョロ。




でもタイミングが合わないのか、会えない…。

はぁ~~寂しいな。先生。




そりゃ毎日会える訳じゃないけどさ。


先生に会えない日はどうしたって寂しいし、

教室も廊下もいつもより寒く感じる。


明日は理科の授業があるから、それを楽しみに今日はもう帰ろっかな。




放課後教室で少し勉強した後、一人で靴箱へ向かう。



──────────ビュウウウウーッ。


うう、寒いよぉ………。



外から吹き込む冷たい風に縮こまりながら、


出ようとすると離れた職員用の駐車場から歩いてくる人影が。




もしかしたら佐野先生……だったりしないかなー。




ドキドキドキドキ…


そんな期待を込めて

立ち止まって目を凝らして見る。




だんだんはっきりしてくる

黒いジャージをシャカシャカさせて歩いてくる人………







……わ!佐野先生…!!




今日はもう会えないと思ってた。


私は校門へ向かっていた足の向きを変えて、急いで先生のところへ走る。