2人を沈黙が包み込む。




「ねぇ、どっち?」




「それは…」




「…」




「愛…だ。」




静まる風。




曇る空。




まるで2人を表しているかのようだった。




「でも…私、悠が好きなの!私と別れるっていうなら愛になにをするかわからないから。」




こんなの卑怯だってわかってる。




でも失いたくない。




大好きだから。




「いいよ、別に。俺が守ればいい話だろ?」




「…っ!」




そんな言葉、私はもらったことがないのに。




愛はなんでも持ってるじゃない。




なんで、私じゃ…私じゃダメなの?




「愛なら大丈夫だ。」




「どうしてそんなことが言えるの?」




そんなのわからないじゃない。