怖いオトコとチョコレート

「……はい」

 黒岩くんが、自分の手のひらにチョコをひとつ乗せて私にくれるので、笑ってしまった。

「もう!黒岩くんのばか!」

 私は笑いながら、泣きながらそのチョコを食べた。

 黒岩くんは、どうしたらいいか分らなかったみたいで、チョコをもう一つくれた。

 仕方がないから言ってやった。

 立ち上がって耳元で。

「す・き」



 真っ赤になる黒岩くんは、実は高校でチョコをもらってから私のことずっと好きだったんだって。

 わかるか!


          おしまい