花城は常に何があっても動じない冷静沈着な男だった。けれど、こうも動揺し、落ち着かない素振りを見せるのは稀だ。
「響也、漆畑様のところへ行くのか?」
「当たり前だ。あのエロオヤジ、酔ったらなにしでかすかわからない奴だってこと、お前だって知ってるだろ」
「だったら、マネージャーの僕が――」
「ひとりで俺が直接様子を見てくる。お前はボンクラ秘書を探し出して、お行儀の悪い飼い主の面倒を見るように伝えろ」
花城に鋭い視線を向けられて藤堂は思わず怯みそうになる。彼は怒っている。こうなると、もう誰が言っても話を聞かない状況だ。
「承知しました」
「頼んだぞ」
花城は総支配人であるのにもかかわらず、みっともないくらいに動揺し狼狽えていると自覚していた。それにこれ以上、藤堂にバツの悪いところは見られたくなかった。だから、今にも沸騰しそうな頭を冷やすためにはひとりになりたかったのだ。
(漆畑のやつ、あいつに手を出したらただじゃおかない……!)
花城は今にも暴れ狂いそうな怒りを腹の底にねじ込んだ。
「響也、漆畑様のところへ行くのか?」
「当たり前だ。あのエロオヤジ、酔ったらなにしでかすかわからない奴だってこと、お前だって知ってるだろ」
「だったら、マネージャーの僕が――」
「ひとりで俺が直接様子を見てくる。お前はボンクラ秘書を探し出して、お行儀の悪い飼い主の面倒を見るように伝えろ」
花城に鋭い視線を向けられて藤堂は思わず怯みそうになる。彼は怒っている。こうなると、もう誰が言っても話を聞かない状況だ。
「承知しました」
「頼んだぞ」
花城は総支配人であるのにもかかわらず、みっともないくらいに動揺し狼狽えていると自覚していた。それにこれ以上、藤堂にバツの悪いところは見られたくなかった。だから、今にも沸騰しそうな頭を冷やすためにはひとりになりたかったのだ。
(漆畑のやつ、あいつに手を出したらただじゃおかない……!)
花城は今にも暴れ狂いそうな怒りを腹の底にねじ込んだ。



