その唇に魔法をかけて、

「三田様の様子はどうだ?」

「え?」

 当初の担当は三田という男性社員だったが、陽子と交代をしたために一度も部屋を覗いていない。三田がどのような客なのかもわからないのに、いきなり彼の様子を聞かれても答えることができなかった。

「だいぶバス酔いして体調がすぐれないまま、ここへ到着したと聞いた」

「そ、そうだったんですか? すみません、すぐにお部屋に行って確認してきます」

「部屋に確認……?」

 訝し気にじっと見据える花城の視線をはぐらかすように軽く頭を下げると、急いで三田の部屋へ向かった。