その唇に魔法をかけて、

「ずっと? ずっとって……いつからですか?」

「さぁな」

 ニヤッと笑ってうそぶく花城に美貴はついムキになる。

「教えてください! 私、花城さんに好きな人がいるって聞いてすごいショックだったんですよ?」

 時が巡り巡って、偶然にもグランドシャルムで美しく成長した美貴に再会した二年前。

 花城の記憶の中で無邪気に笑う少女の面影と合わさった時、初めて女性として意識した。男が恋に落ちる瞬間など、思い出すだけでも気恥ずかしい。花城はその時のことは胸の中にとどめておこうと決めたのだった。

 今だけは――。

「……お前は二度も俺にぶつかってきてくれたっていうのに、俺はそれに応えることができなかった。気持ちを受け入れることで、お前を不幸にしてしまうんじゃないかって思ったら怖気づいた……まったく、無様だな」

「花城さん……」

 自嘲気味に笑う花城がそっと手を伸ばして美貴の頭を優しく撫でる。何度も。何度も。

「人を愛する勇気をお前が俺に教えてくれたんだ。美貴、俺はもう自分の気持ちに迷いはない」

 優しく微笑む花城の顔をまっすぐ見ていたいのに、視界がだんだん熱を持ってぼやけはじめてしまう。