その唇に魔法をかけて、

「後悔……してるか? こうなったこと。俺は自分の気持ちだけでここまで突っ走ってしまった気がするんだ」

「そ、そんなことないです!」

 微かに迷いがちらつくその言葉を吹き飛ばすように、美貴は腕を掴み勢いよく身体を離して彼を見つめた。

「美貴……?」

 視線が合い、見つめ合うと少し驚いた顔の花城がふっと笑った。

「台湾へ行った後、ずっと考えてた……お前のこと」

「え……?」

「やっぱりお前じゃなきゃだめだった、自分の気持ちを伝える前に台湾に来るべきじゃなかったって、そう後悔していた時に誠一から電話がかかってきたんだ。見合いの日取りが決まったから、当日までに自分の気持ちにケリをつけないと、本当に美貴を自分のものにするってさ」

 半分脅しのようだった。と、そう言いながら花城は美貴を見つめ下ろした。