その唇に魔法をかけて、

「おい。やめないか響也!」

 心のどこかで迷いが生じ始めた政明の歪んだ表情を見て、龍也が声を荒げて遮った。それでも花城は立て続けに口を開く。

「俺は親父の気まぐれには心底うんざりなんだ、だからこいつを巻き込むことだけは許さない……それに」

 花城の鋭い視線がふっと和らいで、呆然としている美貴に向けられる。

「今日は自分の中のけじめをつけに来たんだ」

「けじめ……だと? どういうことだ」

 花城親子の間に火花が飛び散り、その緊迫した空気を見かねた藤堂が深くため息をついた。