その唇に魔法をかけて、

「おい、響也、勝手なことは許さないぞ?」

 その時、唸るような声で龍也がぐっと彼を睨んだ。その鋭い視線を迎え撃つように花城がずかずかと大股で歩み寄り、腕を組んで龍也を睨み返した。

「勝手? ふん、親父がそんなこと言える義理か、こいつの気持ちも考えないで自分の都合のいいように仕組んでたのはそっちだろ」

 噛みつくように言った花城に、普段は陽気で穏やかな龍也のこめかみがピクリとしてうっすらと血管が浮きあがる。

「な……なんだと?」

「深川の親父さんも本当にこれでいいのかよく考えろ、こいつがこの状況を幸せだって言ったのか?」

「そ、れは……」

 いきなり飛んできた質問に政明はたじろぎ、目を泳がせて口ごもる。