その唇に魔法をかけて、

「美貴さん……どうしました?」
皆が注目する中、なかなか目録を手にしない美貴に藤堂が訝しげに声をかけた。

(私、やっぱりこのまま結婚なんてできない!!)

「あの!」

 喉元のすぐそこまでこみ上げてきている言葉が、どれだけこの場の雰囲気を凍りつかせることになっても構わなかった。ここで自分の気持ちに嘘をついてしまえば一生後悔するに違いない。と美貴がそう決心したその時だった。