「こほん、本日はお日柄もよろしく、婚約のしるしとして結納の品々を持参しましたので、幾久しくお納めください」
龍也がいかにも練習しましたと言わんばかりの口上を述べ、昆布やスルメなどそれぞれの意味合いを持つ結納の品が目の前に並べられる。そしていくら包んだのかわからないような分厚い結納金の入った袋が威圧感を煽った。
ドクンドクンと心臓の鼓動が鼓膜を打つ、その音が徐々に大きく感じられて美貴はごくりと人知れず喉を鳴らした。
(私、このまま結婚していいの……?)
(やっぱり……)
土壇場になって急激に沸き起こる焦りに美貴の動きが止まる。ここで目録を手にして目を通さなければならない。けれど、結納の目録を確認すれば、結婚の意思を受け入れることになる。その瞬間、美貴の脳裏に花城の屈託のない笑顔、親身になって本気で怒ってくれたあの時の情熱、そして花火大会の時に触れた彼のあたたかな手の感触がじわじわと、そして一気に蘇って心が震えた。
龍也がいかにも練習しましたと言わんばかりの口上を述べ、昆布やスルメなどそれぞれの意味合いを持つ結納の品が目の前に並べられる。そしていくら包んだのかわからないような分厚い結納金の入った袋が威圧感を煽った。
ドクンドクンと心臓の鼓動が鼓膜を打つ、その音が徐々に大きく感じられて美貴はごくりと人知れず喉を鳴らした。
(私、このまま結婚していいの……?)
(やっぱり……)
土壇場になって急激に沸き起こる焦りに美貴の動きが止まる。ここで目録を手にして目を通さなければならない。けれど、結納の目録を確認すれば、結婚の意思を受け入れることになる。その瞬間、美貴の脳裏に花城の屈託のない笑顔、親身になって本気で怒ってくれたあの時の情熱、そして花火大会の時に触れた彼のあたたかな手の感触がじわじわと、そして一気に蘇って心が震えた。



