その唇に魔法をかけて、

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 花城が台湾へ旅立って数週間が過ぎた。

 すっかり残暑も遠のき、ぎらぎらと照らしていた日差しもいつの間にか初秋らしくなってきた。淡く柔らかな日光に眠気すら誘われてしまう。そして今、黎明館では紅葉シーズンを迎えようとしていた。