その唇に魔法をかけて、

 成田空港国際ターミナル。

 忙しなく旅客が行き交う中、美貴はようやく空港にたどり着いた。

 道中は花城のことばかり考えていて、あまり距離の長さを感じなかった。

 偶然にも世話役の水野から電話がかかってきて事情を説明すると、リムジンを向かわせると言われたが断った。誰にも頼らずに自分の足で花城のところまで行きたかったからだ。前の自分ならきっと水野の申し出に甘んじていただだろう。

 花城の出発時間までまだ余裕がある。きっとこのあたりにいるはずだと美貴は手当たり次第に花城の姿を探すことにした。

(花城さん……どこにいるの?)