「ああ、そうだ。俺には……心の底から愛してる女がいる。ずっとな」
苦しげに声を絞り、やはりまだ好きな人がいるのだと真実を告げられると、刃物で心を裂かれたような感覚に陥る。
「これ以上、俺の中に入ってくるな」
「ご、ごめんなさ……」
今まで自分の気持ちを伝えることだけしか考えていなかった。「好き」と言われても、ほかに好きな人がいれば、その気持ちには応えられない。それは藤堂に対しても同じだった。彼の気持ちに応えられなくて辛い、そのことを身を持って知ったはずなのに、無神経なことを言ってしまった。
美貴は頬を伝う冷たい涙を拭うこともせずに花城の揺れる瞳を見つめた。
「……俺が怖いか?」
なぜ、そんなことを聞くのか、怖いはずない。と思う反面、無意識に膝がガクガクと震えていた。そんな美貴を花城は無表情に見下ろした。その瞳には泣いている自分の姿が映っている。
「これ以上、俺につきまとうな、俺とお前はあくまでも上司と部下、それ以外のなにものでもない。わかったな?」
花城の言葉が心を切り刻んでいく。それでも美貴は目を逸らすことはしなかった。
“怖くはない”という意思表示のように。
苦しげに声を絞り、やはりまだ好きな人がいるのだと真実を告げられると、刃物で心を裂かれたような感覚に陥る。
「これ以上、俺の中に入ってくるな」
「ご、ごめんなさ……」
今まで自分の気持ちを伝えることだけしか考えていなかった。「好き」と言われても、ほかに好きな人がいれば、その気持ちには応えられない。それは藤堂に対しても同じだった。彼の気持ちに応えられなくて辛い、そのことを身を持って知ったはずなのに、無神経なことを言ってしまった。
美貴は頬を伝う冷たい涙を拭うこともせずに花城の揺れる瞳を見つめた。
「……俺が怖いか?」
なぜ、そんなことを聞くのか、怖いはずない。と思う反面、無意識に膝がガクガクと震えていた。そんな美貴を花城は無表情に見下ろした。その瞳には泣いている自分の姿が映っている。
「これ以上、俺につきまとうな、俺とお前はあくまでも上司と部下、それ以外のなにものでもない。わかったな?」
花城の言葉が心を切り刻んでいく。それでも美貴は目を逸らすことはしなかった。
“怖くはない”という意思表示のように。



