「とう、どうさん……?」
藤堂に後ろから抱きしめられている。この状況が理解できなくて、美貴は回された腕を振りほどくこともできなかった。
「響也のところに行くんだろう? 行かないで欲しい」
藤堂の顔は見えない。項に顔をうずめながら訴えるその声は細かく震え、冷静沈着で、真面目な彼の感情がむき出しになっている。今まで見たこともないような藤堂の言動を思うと切なくなった。
「僕の中にはいつもあなたがいた。許嫁だなんて、初めは親同士の冗談だとばかり思っていた……でも、あなたと再会してから、やっぱり許嫁でよかったって、そう思ってる自分がいるんだ」
その想いを込めるように、藤堂は腕に力を入れる。その力で抱きすくめられる度、藤堂に応えられない後ろめたさが増していく。
藤堂に後ろから抱きしめられている。この状況が理解できなくて、美貴は回された腕を振りほどくこともできなかった。
「響也のところに行くんだろう? 行かないで欲しい」
藤堂の顔は見えない。項に顔をうずめながら訴えるその声は細かく震え、冷静沈着で、真面目な彼の感情がむき出しになっている。今まで見たこともないような藤堂の言動を思うと切なくなった。
「僕の中にはいつもあなたがいた。許嫁だなんて、初めは親同士の冗談だとばかり思っていた……でも、あなたと再会してから、やっぱり許嫁でよかったって、そう思ってる自分がいるんだ」
その想いを込めるように、藤堂は腕に力を入れる。その力で抱きすくめられる度、藤堂に応えられない後ろめたさが増していく。



