その唇に魔法をかけて、

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 起きがけの一服はうまい。しかし、今朝の一服は史上最悪にまずかった。

 花城はいつもより一時間早く目が覚めてしまい、テラスに出て煙草をふかしていた。花火大会から一夜明け、何事もなかったかのような日常に戻った。

 今日も暑くなりそうな予感がする。

 朝から海水浴で楽しむ子どもの姿を遠目に見ながら、花城は昨夜のことを思い出した。

 ――花城さんのことが、好きです。