花城は眉尻を落とし、切なげな顔でほんの少し顔を歪めた。
「あ……」
そして砂山の腹の中でいつまでも繋がれていた美貴の手がぐっと引かれ、小さく声が溢れるとぼろりと砂山が音もなく崩れ落ちたその刹那。
引き寄せられた額に柔らかい感触と甘い水音がした。驚いて顔を上げると、花火の光に照らされた花城が愛おしそうに見つめていた。その視線に胸の高鳴りを覚えていると、花城の表情がすっと切ないものに変わった。
「お前の気持ちは嬉しい……けど、お前を幸せにできるのは……俺じゃない」
「え……?」
「俺じゃだめなんだ」
今までの甘く、ときめきに満ちた空気が一気に秋風に変わり、胸を吹き抜けていくような気がした。そしてピキピキと音を立てて心が凍てつく前に、冗談を言っているのではないかと確かめずにはいられなくなった。
「……どうしてですか? 花城さんじゃだめって、どういうことですか?」
「それは……」
「私が藤堂さんの許嫁だから、ですか?」
「あ……」
そして砂山の腹の中でいつまでも繋がれていた美貴の手がぐっと引かれ、小さく声が溢れるとぼろりと砂山が音もなく崩れ落ちたその刹那。
引き寄せられた額に柔らかい感触と甘い水音がした。驚いて顔を上げると、花火の光に照らされた花城が愛おしそうに見つめていた。その視線に胸の高鳴りを覚えていると、花城の表情がすっと切ないものに変わった。
「お前の気持ちは嬉しい……けど、お前を幸せにできるのは……俺じゃない」
「え……?」
「俺じゃだめなんだ」
今までの甘く、ときめきに満ちた空気が一気に秋風に変わり、胸を吹き抜けていくような気がした。そしてピキピキと音を立てて心が凍てつく前に、冗談を言っているのではないかと確かめずにはいられなくなった。
「……どうしてですか? 花城さんじゃだめって、どういうことですか?」
「それは……」
「私が藤堂さんの許嫁だから、ですか?」



